概 要:
香港では、小中学の児童生徒が豊かな学校生活を送れるように、あるいは将来必 要な能力を身につけるため、学校教育における教科外教育・生徒支援の一つとして、ガイダンス・カウンセリング(=「輔導」)をおこなっている。1970年代以降、生徒への個別・小グループの輔導が主におこなわれてきたが、21世紀になり、それが「全方位輔導モデル」へと変化・拡大した。
この「全方位輔導モデル」とは、従来からの個人、小グループのためのガイダンス・カウンセリングに加えて、学校あげて、すべての教育活動(全方位)でガイダンス・カウンセリング的要素を取り入れるというものである。
この「全方位補導モデル」は、教育局、教育学者、現場の教員などの連携により実現され、現在では、各学校独自の取り組みが実施され、教員養成のカリキュラムにも取り入れられるなど、より体系的・専門的になっている。
今回のマンデーサロンでは、以上のような香港の教 育の変化の過程とその背景を、比較教育的な視点をまじえながら紹介する。
プロフィール:
李少峰先生は、35年教育に従事し、現在は香港特別行政区教育局訓育及輔導組の首席督学です。カナダのカルガリー大学を卒業後、ロンドン大学教育研究所で特別支援教育を研究し、香港大学で教育行政・管理学で教育修士号を取得されました。
現在は、香港における生徒の訓育、輔導に関する政策を検討、執行する立場にあります。また教師に専門的な養成の機会、学校に支援を提供しています。