وَخُلِقَ الْإِنسَانُ ضَعِيفًا

人間は弱い者として創造された

アラビア語について

言語には色々な分類法があります。一つの方法が形態論で、孤立語・膠着語・屈折語の三つに分けます。中国語などの孤立語には語尾変化などがなく、膠着語は日本語のように単語の後に「てにをは」を付けていきます。他方、屈折は英語にもあり、例えばbe動詞のam, are, is, was, were, be, to be, being, been といった様々な変化を屈折と呼び、アラビア語は屈折語です。  

他に統語論による分類法もあります。これは、言語を主語(S)、動詞(V)、目的語(O)という三つの主要な要素の並び方によって分類する方法で、一説にはSOV型(日本語など)が45%、SVO型(英語など)が37%、アラビア語の属するVSO型が18%とされます。

 

また、アラビア語には「語根」というものがあります。まずは例としてk-t-bという語根がどのような語彙を生むのか挙げてみます。kataba 彼は書いた、kitāb 本・啓典、kuttāb 寺子屋、kutayyb 小冊子、kitābah 筆記・執筆、kitābī 筆記的・文語的・啓典の民、katībah (軍の)隊、maktab 机・事務所・○○室(秘書室・大臣官房・編集室など)、○○店(旅行代理店など)、○○局(郵便局など)、○○所(職業安定所など)、maktabī 事務的な、maktabah 図書館・書店、mukātabah 文通、istiktāb 口述筆記、kātib 書記・秘書・祐筆・事務員、maktūb 書かれたもの・手紙・運命、mukātib 通信員。以上のように、子音から成る語根が基本的意味を決め、母音はそれに変化を与えるのが見て取れるかと思います。

 

以上のようなアラビア語に感性や勘だけで挑むことは無謀です。また、自習だけで習得することも難しく、系統立てた学習が必要とされます。

アラビア語学習の魅力

アラビア語は多数の話者を抱え、情報の発信と吸収も活発です。まず、話者数では中国語、スペイン語、英語に次ぐ第4位を占めます。また、ウェブサイトで使われる言語についても、南アジア、東南アジア、アフリカ(但し英語圏)の殆どの国々では英語が圧倒的多数派であるのに対し、アラビア語圏ではアラビア語が過半を占めます。ウィキペディア上での工学・医学用語の項目充実度も、英、独、仏、露、伊、西、日、ポーランド、葡、アラビア、中、ウクライナと10位につけています。

アラビア文字は文明文字です。オスマン史家の鈴木董は世界は漢字文明、ナーガリー文字(梵字)文明、アラビア文字文明、ギリシア・キリル文字文明、ラテン文字文明に分かれるといいます。「アッ=サラーム・アライクム」との挨拶は全イスラーム圏で通用します。また、西洋におけるギリシャ語、ラテン語と同様に、アラビア語はイスラーム圏の古典語でなおかつ生きています。

語学学習は登山に似ています。険しい「アラビア山」を登れれば感慨もひとしおでしょうし、登山技術や体力は一生の宝となります。エベレストの踏破は驚異ですが、アラビア山の制覇は遙かに安全で容易です。そして、物珍しさとしてはエベレスト級です。アラビア語の学習機会は本当に限られていますし、中高年から始めるのは困難です。学習環境と若さが与えられている今が最初で最後のチャンスです。

授業案内

「アラビア語入門」(後期)